朝起きて小鳥のさえずりなんかを聞いちゃってうわぁ、爽やかな目覚めを体験しちゃったよ、と
感動に浸りつつ、いつも現代では休日12時起きの私に手紙が届いていた。←障子を開けて発見!
こっちに来てから手紙なんてもらったことはなかったから、久しぶりというか
なんとなく懐かしい気分に浸っていた。
(あ、というか現代でも手紙なんてそうそうもらったりなんかしないけどね)
でもいかにせよ、この量はなんだ・・・・。
山になってるよ、ごっそりとー。
普段こんなにもらったこともない手紙を起きて早々読むのも気が滅入るのでとりあえず、
自分の部屋の中にがぼっと掴みあげて移す。
(うわ、ほんとたっくさん!)(まさか苦情とかじゃないだろーな!)(いやいや思い当たる節が多すぎる)
やれやれとためいきをついて手紙の山を見やる。
なんだなんだ、そろいもそろって武田軍。え、そういえば戦国時代ってそんなに紙をひょいひょい
使っちゃっていいのか、確か紙ってこの時代では高価なものだったよーな、もったいない。
ちょっともう1回どすりとたたみに座ったら、眠くなってきた。
いかんいかん立ってないと二度寝しちゃうよなぁ。
あぐらをかいていたら首がぐらぐらなって体全体がゆーらゆら、ゆーらゆら。
朝御飯まではまだまだ時間がかかりそうだ。お手伝いでもしようと思ったけど、
この今の半寝惚けでは頭が起動状態じゃないからむしろヤバいことになると思う(周りがな!むしろ自分は無傷)
はっと頭が目覚めるとそこには包丁が壁に刺さり、食材は空を舞い、水がそこら中に飛び散って、
なんと腰には兵士さんが必死ですがり付いていた。(お止めくだされぇぇええええ!!!ってね)
それで駆けつけた幸村が「敵襲でござるか!っと殿、は、破廉恥でござるぅぅぅううう!!」と叫び、
佐助は「うわぁ、うらやましいね」とじっと見てくるもんだから、慌てて
腰に張り付いていた兵士さんをべりっと音がしそうなくらいに豪快にひっぺがして、
放り投げた(ごめん!)
前にそんなこんながあって、本気で泣かれてしまった。可愛いおねーさんに・・・。
うわぁショックな現場を思い出してしまってまた凹んだぜ、ちくしょう!
おんなのこを泣かせる奴は最低だもーん!それが私・・・・くっ!あんな失態はもう起こすまい!
っと、反省に反省をかさねてみたおかげで目がさめてきた。
とはいってもなんか朝って血液が巡ってないからだるいから、ごろりとはらばいになって
手紙の山に手を伸ばす。ぺらりと手紙をめくってみる。
『お慕い申し上げております』
「は?お慕い?!」
お慕いってなんだ、私の子分になりたいってことか。ああ、そうか。
え、なにこれは子分志願書?!(どういうこと、これ)(私の男っぷりに惚れたのか)
次はーと思ってまたもやめくると、
『俺もお慕い申し上げております!!殿!!』
「・・・・」
あれあれ、どんなこった。みんな同じ事言ってるよ。そしてどれにも名前が書いてない。
志願書まとめようとしても、無理じゃん、これじゃ。
もしやとおもってすぱぱぱーっと目を通すとなんでか全部『お慕い申し上げて』の
フレーズが書いてある。
なんだ、お慕い申し上げてって。私ってそんな親分肌?(まぁ気持ちはわからなくもないよ!)
「なになに?お慕い申し上げております・・・?えっ嘘でしょ、俺のちゃん!!」
「佐助のもんじゃないからね」
天井から人が降ってきたと思ったら、私のすぐそばに佐助が立っていた。
なにこれ、どういうこと?と不思議そうでそして何故か切羽詰った顔で、
こちらをみて問い掛けるような表情なので、仕方なく答えることにする。
「朝、爽やかに目覚めたら手紙がごっそり置いてあったのさぁ」
「ああーなるほどねぇ。ってどうするつもり!」
「うおおおおお!!殿ーっ!おはようでござるぅぅぅぅううううぅうう!!」
「朝からうっさい、幸村っ!静かに入ってこれないの」
「まったく旦那は・・・・ってあれ」
急にいつものように幸村に文句を言ってくれるのかと思いきや、途中で言葉を切ってしまった。
いつも通りに幸村のオカンっぷりを披露してくれるのかと思ったのに、残念だ。
これは?と言ってそこらに散らばっている手紙の中から、ひとつ手紙を抜き出して、
私に見せた。
『某、殿をお慕い申し上げております!!うおおおおおお館さまぁぁぁあああ!!』
「これは、幸村?」
「間違いなく旦那だな」
「何を見ているのでござるか!っておおそれは!!」
すばやい動きで私が見ていた手紙を引ったくると、佐助が幸村を引っ張って部屋の奥に
移動していった。どうしたどうした。内緒話?私も入れてー!!
「そっかー幸村って私の子分になりたかったのね!言ってくれればよかったのに」
「うえうあおう!!ちちちちちち、違うでござるよ、殿ーっ!!」
佐助とこそこそ話をしていた幸村に向かってそう言うと、猛烈な反論。あれ。
(私の子分になりたいんじゃなかったの)(ねぇ、そうでしょ)
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「ちょっと旦那!あれどういうつもり?!あんな手紙書いて!!ちゃんは俺のって
いったでしょーが!」
「あ、あれは見せるつもりはなかったのだ!昨日宴の時にお館さまが皆の者、
への気持ちを書くのじゃぁぁあああ!と申されてな」
「んで書いちゃったってこと?まったく俺がお仕事してる間に何やってんだか」
「そ、そうだ。で兵もみな書いてな!でも、まままさか兵のものもこんなことを書いているとは・・・!!」
「自分だって書いてんでしょーが!!」
「しょうがないではないか!気持ちを手紙に書けと言われたのだつい書いてしまうではないか!」
「何がついだ!まあ、ちゃんはお慕いの意味が子分になりたいと思ってるからまだいいけどさー」
「では殿に某の気持ちは分かっておらぬのだな!良かった!」
「ほかの人にはモロバレだけどね」
お慕いの意味が恋い慕うということを知らなかったのがせめてもの救いだ。
あの手紙はちゃんがすべて知っちゃう前にすべて燃やしちゃおーっと。
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こそこそ内緒話が終わったかと思えば佐助がいきなり山のような手紙を持って外に持ち出そうとする。
幸村はうおおおお、それがしの手紙ぃぃぃぃいいいぃいぃ!と叫んでいるが。
うええうえええ、せっかく大量の子分が手に入ると思ったのにぃ!
(団子買いに行かせるとかできるじゃんか!)(もったいなーい)
「あれ、それ捨てるの?!まだ名前がわかんないんだけど!(子分志願書にまとめるためのね)」
「勿論。子分なんていらないでしょ?俺様がいるし」
「それがしもいるでござるよ!殿!」
「はぁ?何いってんの、子分はいればいるほどいいに決まってんの!」
我等が姫!
(ちゃーん、ちょっと俺と遊びに行かなーい?)(今からおやつ!)(俺って・・・団子以下?)