「は?あなたが料理・・・・出来るんですか?」 「できますよ!あ、そうだ!いつもお世話になっているので、御馳走しますよ!」 「おいおい、大丈夫かぁ?」 「なんでそんなに疑問符飛ばすんですか、できますよ」 「だって、おまえ、そりゃ包丁で指切ったりとか・・・」 「フライパンで火傷したりとか・・・・」 「お2人とも散々な評価下してきますね・・・・!覚えておいてくださいよ、ぎゃふんと言わせて見せます!」 ぐっと拳を握って見せれば、2人は期待はしていないよ、と言う風な表情をありありとみせた。 いや、とても失礼だよそれは!と言わんばかりに反論すれば、無理しなくていいぞ、と虎徹さんが 笑って見せる。 いや・・・私一応成人してるし、バーナビーさんと同い年なのですが・・・という声はまったくもって聞いてはくれないようだ。 ぽんぽんと軽く頭を撫でる虎徹さんを恨みがましく見てから、さらにバーナビーさんを見れば、少し笑いを堪えている様に見えた。 この2人・・・・似てないとか言いつつ、変な所で似ている。しかし失礼である。絶対にぎゃふんと 言わせてやるんだから!!!とばかりに宣言すれば、2人は顔を見合わせた。 ☆ 「う、うまい・・・」 「お・・・・おいしい・・・・」 「ほらーどうですか、見直しましたか」 虎徹さんが置いたからん、とフォークの音がしんとした部屋に響く。 二人の感心した声がぽとり、と落されるのを私はガッツポーズでその言葉を受け止める。 ふふふ、ぎゃふんですか!と嬉しげな声を上げてしまうのも無理はない。ヒーロー業では 足をひっぱってばかりなだけあって、少しでも見直してくれる場所があればとっても嬉しくなってしまうのは 仕方がない事である。にやける口元をきゅっと引き締めていると、バーナビーさんがおもむろに メガネをくい、と上げてから口を開く。 「見直したというより、あなたがもやし料理以外作れた事に驚きを感じています」 「素直に見直したって言えばいーのによー。いや、本当にうまいぞこれ」 「ふふん、材料さえあれば出来るんですよ、材料さえあれば!」 「いや、おまえそこ連呼するなよ、悲しくなるだろ・・・」 事実問題、私自身記憶を思い起こして見ても、肉を調理したり魚を焼いたのはとても久々な気がする。 ん・・・ここに越してきてから焼いてない様な気がする。このフライパンだって、もやし炒め用みたいな感じになっているし。 たまに美味しい物を食べるけれど自分では料理しなかったなぁ、と少し遠い目をしてしまう。 今日だって虎徹さんとバーナビーさんが資金、および買い物をしてくれなかったらいつも通りのメニューになっていた 訳だし。 言わずもがな定番メニューであるもやし炒めときゅうりの塩もみである。 「こんな美味いんだったら、毎日でも食べたいな、な、バニー」 「え?あ、ああそうですね、毎日もやしは嫌ですけど」 「本当ですか、嬉しいです!食材買ってきてもらえたら、毎日でも作りますよ!」 ぎょっとして目を見開くバーナビーさんとひたすらにこにこする虎徹さんを変わりばんこに見て、なんか 可笑しなこといったかしら?と首を傾げる。 未だ箸が止まらない虎徹さんと、先ほど注いだミネラルウォーターを口に運ぶバーナビーさんに 微笑ましい気持ちを抱きながら、自分もお肉を口に運ぶ。 やはりまれにしか食べられない為に、じゅわっという肉汁についつい口がほころぶ。おいしい。 「私も毎日ちゃんとしたもの食べられるっていう嬉しさもありますしね」 「へーえ、良かったなバニー!」 「なっ・・・にを言っているんですか、あなたは!!」 「なにって、毎日美味い料理食わせてくれる女の子っていいだろーが?」 「・・・っ、もやしオンリーな女子はどうかと思いますけど」 「それは私の貯蓄問題な気がしますね。養ってくれる人を探します〜あはは」 「お〜、俺的にはもう合格だと思うけどな!」 「・・・・・・げほっ!」 飲んでいたグラスが揺れて、噴き出しそうになったバーナビーさんは非難する眼差しで、虎徹さんを見やる。 若干むせているれど大丈夫だろうか。慌てて立ち上がれば、バーナビーさんは「大丈夫ですから」と言って ただ手のひらを前にして私の動きを制止させる。 私のさっき言った言葉にウソはないし、本当の気持ちなのだけれど、・・・・まぁ多少食材に心が傾いているだけの話だ。 ひょいひょいぱくと、箸をたくみに動かしては食卓上のおかずを口に運んでいく。 やはり美味しい物を食べていると気が一番心が安らいで穏やかになる気がする。 自分で作るごはんもそこそこ美味しく感じるけど、でもやっぱり誰かと食べるごはんが1番美味しいと思う。 この2人とごはんを食べる事が出来て良かったなぁ。 そんな事をほのぼのと考えながら、みんなでごはんを食べるその分の美味しさも含めて私はごはんを頬張った。 いっぱい食べるきみが好き 「はぁ、しあわせ・・・・」 「本当に美味しそうに食べますね、さん」 「だって美味しいもの食べてると、すごく幸せな気持ちになっちゃいますよねぇ」 「確かになぁ。お、!これうまっ」 「えっ、どれですか!?」 「これ!!」 「わーい!」 「ちょっと!僕の前でそういう事しないでください!!!」 「わっ、バーナビーさんの力で机をそんなに力いっぱい叩くとうちの机割れちゃいます・・・!」 (120929) |