暑くて堪らない夏の日だ。むっと立ち込める夏の特有のこの熱気はかなり辛いものがある。 トレーニングの為にジムへ向かったは良いがなかなかにしんどく果てしない道のりだということを痛感した。 トレーニングに来たはずなのに、もうすでにトレーニング後であるかのような疲労感が身体を襲う。 ジムに入ってすぐに私は、すぐにカバンから家から持ってきた水を取り出した。 それを思いっきりがばがばと飲み、それからベンチへ座り込んだ。 気分的にはぐったりという表現が一番しっくりくる。 ここに来るまででぐったりとか、ヒーローとしてこれからやっていけるのかな(主に夏の暑さ的に)なんて考え込んで しまう。 はぁーあ、なんて長い息を吐いて、水の入ったペットボトルをぎゅっと握る。 すると私の前に影が出来て、声を掛けられる。誰だろう、と思いのろのろと顔を上げると、イワンくんが立っていた。 イワンくんもジムでトレーニングかぁ、なんてぼんやり考える。 「おつかれですか?」 「え?・・・あ、ううん、ただここに来るまでが暑くて暑くて」 「確かに今日はすごい暑いですよね、日差しが強烈で」 「うん、そうなんだよね・・・ふわっとするよ」 「そ、それ危なくないですか?!大丈夫ですか?」 「だいじょーぶだいじょう、ぶ」 ふらっと頭が熱気でいっぱいになって、そのまま横へ倒れる。 ただ最後、目を閉じる前に必死になってこちらへ手を伸ばす彼が見えて・・・・、 「あ、気が付きました?」 再び目を開ければ、いっぱいに広がるイワンくんの顔が安堵の表情へと変わった。 どうやら夏の日差しによってすこしやられてしまっていたようだ。 前にもこんなことがあったような・・・と頭の中で思い返して見る。 最近はスタミナ付けるためにもやしとにらを炒めた物を結構な頻度で食べていたというのに・・・ああ。 水も家から持ってきた水道水に食塩を入れたりした方が良かったのかなぁ。 まだまだ働かない頭でそんな事をぐるぐると考えてしまう。 「驚きました・・・軽い熱中症だって、」 「なるほど・・・最近肉食べてないし、それを言うなら魚も食べてないし、もやしばっかだからかなぁ」 「えっ、さん、しっかりご飯は食べなくちゃ駄目ですよ」 「うん、ごめんね。やっぱり大事だよね・・・肉」 「肉以外もきちんと食べないと・・・あ、そうだスシバー行きませんか?」 「えっ、」 「だ、駄目ですか・・・・?」 「う、ううん!そうじゃなくて私今月ちょっと厳しくて・・・っていつもなんだけど」 「なんだそんな事なら、僕のスポンサーの所にしましょう?それなら平気です」 「なんか今日はイワンくんが輝いて見えるよ・・・!」 「言いすぎですよ、別に、たいしたことないですし・・・」 照れたように顔を背けるイワンくんにもう一度笑い返す。 いや、でも年下に頼る年上ってなんなんだと思わなくもないけれど・・・ないけれど・・・。 いつかこの恩は絶対に返す!なんて固く心に誓って私は彼の顔を見上げる。 「膝も貸してくれてありがとう、重くなかった?痺れるよね」 「い、いえ、そんな事は・・・!」 エネルギーを募集中 「お礼なにがいいかなぁ・・・」 「何を悩んでるんだい?」 「あ、スカイハイさん。実はイワンくんへのお礼を考えていて・・・」 「あら!あらあらあら、きっと彼喜ぶわよぉ」 「ネイサンさんまで・・・。そうでしょうか、お礼って言っても大したこと出来ないし・・・」 「そういうものは気持ちが大事だからね、きっと大丈夫だ!」 「ちなみに聞くけど、何を送るつもり?」 「もやしの塩コショウ炒め・・・・とか、」 「・・・・・(色気もなにもないわねぇ・・・)」 「私も食べたい!ぜひ食べたい!」 (110805) |