「ぷっ・・・んでシリウスはおとなしく帰ってきたってわけ?」 「シリウスらしくないね、おとなしく引き下がるなんて」 あれから俺はまだじんじんとしつこく痛む頭を押さえながら、談話室へと帰ってきた。 すると待ち構えていたようにジェームズとリーマスが寄ってきた。 どうやらあの悪戯の件を見ていたらしい。いたなら助けるぐらいしてくれたっていいだろ。 しかも何だこいつら2人。今にも笑い出しそうなのを必死でこらえている。 「あ゛ぁ?そんなにこれが笑えることか?」 「笑える、笑える。もう上出来すぎるくらいさ、ははっ」 「だってシリウスがねー・・・まさか、ぷっ」 「お前等中途半端に笑うのやめろよな!!」 「じゃ、真剣に笑っていいのかい?」 「だ か ら !笑うことなんかねぇだろ?!少しも楽しくねぇよ!」 「くっ・・・シリウスが女の子を泣かせることはこれまでたくさんあったけど、」 「逆に泣かされることになるとは思わなかったんだ、・・・くくっ!」 「・・・あーもー笑えばいいだろ。いちいち笑われるよりよっぽどいい」 俺のこの一言をきっかけに2人は本当に大声で談話室にいる奴らが何だ何だ、とこっちを見てくる くらい笑い続けた。言うんじゃなかった。 無意識のうちに眉間にしわが寄る。 ピーターがここにいればオロオロした姿が見れただろうが、ピーターはレポートのことで 呼び出しを受けているらしい。いた所で、この大爆笑は止まりはしないだろうが。 思いっきり笑いすぎてひきつけをおこしそうになっていたジェームズが、ようやくこっちを見た。 (目が笑いすぎて涙目だ)(リーマスも同じく) 「は僕らと同じ学年だよ。まぁ寮は違うけどね!」 「リリーがたまにリフィアと話している時に傍にいた事もあったはずだよ」 「そうなのか?」 「そんなことシリウスはとっくに知っていると思ってたけど」 「なんでだよ、いくら俺が頭が良いからって全学年の名前は覚えられないぜ」 「女たらしだからね」 「理由になってねぇよ!」 「君、を怒らせただろう?きっとそれを聞いたリフィアが仕返しに来るよ」 「げっ!俺あいつ、本当に苦手」 「また日本式のあいさつをくらわせられるんじゃない?」 「リーマス!不吉なことを言わないでくれ!!」 「彼女ならやりかねないけどね〜あはは」 「でも、俺は別に怒らせるようなこと言ってねーけどな」 「ああ、ってね背が小さいの気にしてるんだって。だから怒ったんだよ、きっと」 「ふーん、って何でリーマスがそんなこと知ってんだよ」 「気になるの?」 「いやっ、べべ別に気になってなんか・・・!」 「僕には分かるよ、その気持ち、嗚呼リリー・・・」 「お前と一緒にすんな!!頭大丈夫か?」 「ジェームズはもう治らないよ。まぁ、前からこんなんだけど」 「(酷・・!)それにしても同じ学年だったなんて信じらんねぇ」 「あんまり合同授業ないしねぇ・・・魔法薬の授業ぐらいじゃない?」 「僕はのこと結構前から知ってたけどね、リリーがリフィアと友達になってくらいから」 「いや、でも同じ年ってのは驚いたな。手首だって折れそうなくらい細かったし、頭も小せーし、 腰だって・・・・、」 「「へぇー・・・・」」 意味ありげな目線を送ってくる2人に気付いたのはそこまで言ってからだった。 しまった。思いっきり墓穴を掘ってしまったらしい。こいつらにこういうことを言うと(認めたく はないが)地獄の拷問のような感じで質問ぜめ、さらにグサグサと問い詰めてくる。 それがこの俺の目の前でにやにや笑いを隠そうともせず、目をらんらんと輝かすジェームズと 紅茶の入ったカップを持って優雅に笑うリーマスだ。 いや、もうこの優雅さも計算のうちかもしれない。全てお見通しだからというそんなようなオーラを まとうための。(あーくそ!) 「シリウス、その話はまず夕飯を食べながらゆっくり聞こうじゃないか!」 「その後も、じっくり聞かせてもらうけどね」 さぁさぁ、と強引にジェームズに肩をつかまれて、談話室から外へ出て歩き出す。 俺はジェームズとリーマスに引きずられるように、大広間へと向かう。 「なぁジェームズ、リーマス俺別にあいつの事「「なんだい?」」・・・」 「だから別にあいつ「「なんだい?」」・・・」 「だから「「なんだい?」」・・・聞けよ!」 「聞いてるじゃないか」 こいつら聞いてるとか言って聞く気がまったくないらしい。 それどころかだんだんと俺の話を遮るスピードが速くなってきてるし! やべーよ、なんかこのままだと嫌な予感がする。てか別に俺はのことが好きってわけじゃない。 ただまぁ・・そんなに嫌いじゃないだけだ。たぶん。 あの告白の時はイラッときたけど(俺の名前を間違えるとか!)(俺を知らないとか!) その後の様子を見てるとそんなに嫌な奴!って訳でもなさそうだし。 ・・・・っと、こんなこといったら、こいつ等にまたなんか言われるにきまってる。 そう思いながら横目でるんるん、と言っている奴らを見る。(気色悪っ!) 「何か言った?シリウス」 「いい、いや、俺は別に、「あー夕飯だー!」(はぁ・・・)」 「やぁ、リリー奇遇だね!」 奇遇でもなんでもなくジェームズの目は大広間に入ってきたときからかなり真剣にリリーの姿を 探していたことが隣につったっていたシリウスには痛いほど分かった。 ジェームズ、人のことどーのこーの言う前に自分のことをどうにかしてからにしろよ、 と呟くがあいにく隣で嬉々としてリリーに手を振る馬鹿には聞こえてなかったらしい。 どこまでもおめでたい奴だ。ため息をつくしかない。 「ジェームズ、ちょっとこっちへ来て。隣の奴も一緒にね!」 「「・・・・・・」」 「・・・・・っちょ、ちょっと今のきき、き聞いた?シリウスゥゥゥゥ!聞いた?!今、いっ今、 リリーが僕のことをジェームズって呼んだ?!僕の書き連ねてるレポートのなかでもなく、夢の 中でもなく!リリーが僕のことを!!!!」 「わ、わっわかったから肩掴んで・・振り回すの、やめて、くれっ・・・!」 「ああ、ごめん、僕ったらつい嬉しさのあまり。ああ、どうしよう、あとでリリーについてのレポートに この感動を書かなくては!!」 「お前夜にこそこそしてると思ったらそんなことしてたのかよ!この変態!」 「シリウス、ジェームズはストーカーでもあるんだよ」 「リーマス!知ってたんなら止めろよ、こいつ!(笑顔で言うな!)」 「だって面白いから、つい」 くすくす、と笑いながらリーマスは面白そうに眺めているだけだ。 がしっと腕をつかまれたと思ったら、ジェームズが凄い力で俺の腕をつかんで、リリーの元へ 走って連れて行こうとする。 「お、おい。落ち着けよジェームズ。リリーがそんなこという訳ないだろーが。 あの顔見ろよ!ほら絶対なんか企んでるぜ!」 「リリー・・・笑顔が天使のようだよ!!」 「(駄目だ・・・こいつ)そのまま昇天しちまえ!」 「ほら、行くよ、シリウス」 横からすっと出てきて俺の方に手をおいてにっこり笑うリーマス。 行きたくない、行ったらなんか嫌なことになりそうだ、と俺の頭をそんな考えがよぎる。 それにもかかわらず、右には昇天しそうなジェームズ、左には微笑みを浮かべているリーマス。 それぞれつかまれているところがやけに痛い。力強い。・・・逃げれねぇ。 「「シリウス、ほら」」 この言葉が俺の両耳から流れ込む。俺はがっくりとうなだれた。グリフィンドールのテーブルには おいしそうで温かい料理が湯気を立てながら俺を待っている。 それと同じく、今まで見た事もないようなとびきりの笑顔で手を未だ振り続けているリリーがいる。 「(あいつ絶対なにか企んでる・・・)」 無駄に笑顔を振りまいているジェームズとリーマスがやけに気味が悪かった。 (と思ったら思い切り腕をつねられた)(え?!俺何も言ってないよな!?) next→ ------------------------------------- |