「に俺を好きになってもらえるように、頑張ろう」 というわけで。そんなスローガンを掲げた矢先にやってきてしまったテスト。 なんつータイミングだ。何も、今でなくても良いのに。 基本、俺はガリガリ勉強しなくても大抵はこなせるタイプだ。それはまぁもともとの才能っていうか そういうものなんだろうけど。しかし主席は取った事は無い。次席が俺の場所である。 主席はジェームズで次席は俺、大体そんな感じである。 ジェームズは性格はちょっとアレだが・・・、 「リリー、調子はどうだい?」 「あなたが来ると調子が悪くなるから寄らないでちょうだい」 「またまたー、分からない所があれば何でも聞いてくれていいよ」 「あなたに聞くなら、自分で調べてやるわ」 「2人でやればもっとはかどるよ!僕、君の分からない所集中的に復習しておいたから!」 「なんであなたが私の苦手分野を知ってるのよ・・・」 ・・・リリーが絡むとアレどころではないが、勉強、運動神経は良い。 ・・・ん?ちょっと待てよ、勉強・・・2人で勉強・・・。そうか、その手があった! ピーン!と脳裏に閃いたそのアイディアはかなりいいものに思えた。 これなら俺もさりげなくの役に立てる。あわよくば・・・!どんどん考えが広がっていく。 そんな俺の後ろに立つ影が2つ。 「ほら見てごらん、ピーター。勝利を過信してにやける男は格好悪いよね」 「りり、リーマス!そんなことないよ、シリウスだって頑張ってるんだから・・・!」 「ピーターだって本当はそう思ってるよね?」 「だ、駄目だよリーマス!シリウスに聞こえちゃうよ!」 「・・・お前ら・・・聞こえるように言ってるだろ・・・」 ぐるっと振り向けば、ソファーにゆったりと座るリーマスと、立ち上がってリーマスをなだめている ピーターの姿があった。リーマス、お前はなんでそう偉そうに座るんだ。 まぁ、座りなよと目の前のソファーを指される。だから、なんでそう偉そうに・・・はぁ、もう言っても 無駄か。はいはい、どうせリーマスには逆らえない。 大人しく俺はソファーに座る。 「今、自分は頭が良いからに教えられるとか甘いこと思ってたでしょ」 「お、思って・・・!」 「思ってたよね?・・・ね?」 「・・・思ってました」 「わー!ごめんなさぁあああい!!」 「ピーター?なんで君が謝ってるの?」 「はっ!つい・・・!ごめん、話続けて・・・!」 「シリウス、そんな甘い考えで本当にに好きになってもらおうと思ってるの?」 「・・・思ってます」 「ふぅ、そんなことだろうと思ったよ。よく考えてもみてよ」 そう言って、チョコレートをかじるリーマス。もの欲しそうに隣からピーターが覗いているが、 1欠片もやらないとばかりに体をよじって話を進める。 「いーい?まずがどこの寮かは知ってるよね?」 「レイブンクローだろ?それくらいは知ってる」 「んで、親友の名前は?」 「り、リフィア・シュルツ・・・・・」 「リフィア・シュルツは成績優秀、容姿端麗で有名だよね」 「あ、ああ・・・それがどうかしたか?」 「それが?!それがってまだ気が付かないの?」 「え、えっと・・・リーマス、僕にも分からないよ」 「レイブンクローの成績優秀者だよ?勉強教わるなら、普通リフィアから教わるよ」 「い、いや・・でも、俺だって一応次席だし・・・!」 「そ、そうだよね、シリウスってすごいもん!」 「一般的にはそうかもしれないけど、が教わるとしたらシリウスより、リフィアってことだよ」 「・・・・!そ、それは・・・」 「どうして?だってシリウスは次席じゃ・・・」 「リーマス、もうそれ以上言うな・・・落ち込むから」 「ようやく分かったみたいだね。そう、好きか嫌いかの大きな違いがあるんだよ」 「だから言うなっつっただろーが!」 「いや、ここははっきりさせておこうと思って」 「もう十分はっきりしてるっつーの・・・」 リーマスの傷口に塩を塗る・・・すり込む行為にかなりのダメージを受けながら、 よろよろとソファーから立ち上がる。塩に唐辛子も混ぜられた気分だ。 我ながら良い案だと思ったのに、考えてみればには完璧に完璧を重ねたような(ジェームズと同じで 性格はアレだが)リフィアがいる。 勉強関係では適わない。いかに俺が次席であっても、きっとはわざわざ俺から教わることは ないだろう。嫌いな相手から教わるくらいだったら親友のリフィアから教わるに決まってる。 もうこうなったらヤケで勉強するしかない。それこそ主席を取る勢いで勉強してやる! このテストの勉強期間に遊びになんて誘えるわけないし、もうやることもないし、 こうなったら誰にも関わらず、自分を磨く事ぐらいしか出来ない。ここは、焦らずこつこつと の信頼を取り戻そう。・・・取り戻すっていっても元々ないようなもんだけど・・・ 駄目だ、落ち込んでる場合じゃない! そうだ、頑張れ俺!そうと決まったら図書館へ急ごう。そういえば、 悪戯グッズを作るのに夢中になってほったらかしにしていた、レポートのまとめがあったな。 まずはそれを完成させるか・・・。ってもう8時じゃねぇか!急がないと、図書館が閉まる! 俺は談話室を飛び出した。 「あーあ、またシリウスいじめて」 「ジェームズ、なに言ってるの?愛のムチってやつだよ」 「ははっ、よく言うよ。ま、僕も愛のムチ大歓迎さ!リーマス、なんでも言ってくれて構わないよ」 「ジェームズはなんか1人でも頑張って行けそうだから僕の助けはいらないと思うけどね」 「そんなことないさ、僕だってリリーの全てを知ってるってわけじゃない」 「それ知ってたら、犯罪だから」 「愛の前ではそんなこと気にもならないものさ!」 「・・・リーマス、この馬鹿になんとか言ってよ・・・!はぁ・・・めまいがするわ」 「ご愁傷様だね、リリー」 「リーマスは楽しそうね」 「うん、シリウスをからかって遊ぶという愛のムチをふるって遊んでるからねー」 「君もなかなかやるね。がシリウスに教えて欲しいって頼む可能性も少しはあるかもしれないのに」 「少しの意地悪は許してほしいな。僕だってを気に入ってるんだからさ」 「手厳しいね、リーマス」 * そんな会話が繰り広げられていたとは知らずに、俺は歩いていた。やや、うつむき加減の早歩きで。 シャツのままでは肌寒いと考えた俺はカーディガンをがぼっと着込んで、薄暗い廊下を歩き図書館へ向かっている。コツコツと足音が廊下に響く。 階段を上がった所で、ふいに、その足音が2つに重なって聞こえた。 ん?と不思議に思って、じっと遠くを見つめてみると小さい影が同じように俺の前を歩いていた。 待て待て待て待て・・・!俺、きっと疲れてるんだ。こんな偶然ないない。普通だったら ありえないから・・・落ち着け俺!まさかがいるなんて、そんなこと・・・! どきどきと音を立てる心臓をなんとか落ち着かせながら、そっとその影に近づいていく。 黒い髪、小さな身長、間違いなくである。ああ、ほんと、どんな偶然だよ!普段は神様!なんて 言ったりしないがこの時ばかりは、別だ。 思わず顔が緩むがそれをぐっと引き締める。 足音はなるべく立たないように、細心の注意を払う。はくるっと角を曲がっていく。 追いつこうと足を速めた瞬間、廊下の向こう側でどん、と鈍い音がした。 そっと角から覗いてみると、2人の影がそこにはあった。 ・・・2人?しかもは廊下の壁に押し付けられている。相手は・・・?!と素早く見ると どうやら下級生らしい、金髪の少年だった。 おいおい、一体どういうことだ?!パニックになりながらも、俺はそれをこらえてじっと息を潜める。 まさかライバル登場とか言うんじゃないだろうな!リフィアもいるっていうのに、 これ以上はもうごめんだぞ・・・はぁ。 next→ ----------------------------------------- |