朝起きれば見慣れぬ天井。
目が覚めてぱっと身体を起こしてみれば、そんなことが私の身に起こっていた。
しかも全然わからない。自分がどんな環境にいるのかさっぱり分からない。
ええっと、私どうしたんだっけ?何が起こった?本当の意味で目を覚ませ!!
くるり、と見回してみればそこはやっぱり見慣れぬ場所で、ただなんとなーく保健室じゃないかな、とは思えるような
部屋だった。確かに、まぁ・・・ベットの硬さもそれなりのものだったから。
校庭の方では、わー!だとかきゃー!だとか人の声が騒がしいくらいの大きさでここまで届いてくる。
なにか学校で行事でもあったのか・・・駄目だ、思い出せない。
頭を抱えてうなっていると、隣でもぞもぞと何かが動く気配がした。
おかしい・・・どう考えてもおかしいぞ、いやっ、落ち着け!
横をおそるおそる見てみれば、そこにはまたもや見慣れぬ顔!今日はなんだか見慣れないものばっかりだぞ!
しかも男!怪しい!果てしなく怪しい!!いくら私が保健室で寝ていてさらにその私の付き添いだっていっても
私はこの男のことを知らないからだ。ええー、まったく赤の他人とも言えるべき人が、何故?
なんでここに寝ているのかだとかあなたなんでここにいるのだとかそもそも何故ベットの傍の椅子に座りながら寝ているのかとか
まだまだいろいろ聞きたいことがあるのだが・・・質問は全部同じ意味なのだが・・・とりあえず起こしてみる。
もしもし寝る場所間違えてますよ、と控えめに肩を叩けば、ううーんなんて言ってその人は目を開けた。
「、お前目が覚めたのか!」
そりゃもう元気良く目覚めましたけど・・・あなた一体誰ですか。
名前を呼ぶくらいの仲らしいが、私の記憶が正しければ、こんな知り合いはいないはず。
も、もしかして酒の勢いでとかそういうの?!・・・いやいや待て私はまだ未成年だからありえない。
ちゃんとお酒は飲まないようにしている。まぁ未成年だから。動揺のあまり2回も言っちゃったよ。
しかもここ学校だからありえないから!
私が声にならないうーだとかあーだとかをぐだぐだ言っている間にその人は椅子から立って、
大丈夫なら行くぞ、と手を差し出した。いや、待て。なにか言うことはないのか!
説明してよ、この状況!そしてあなた本当に誰!?・・・さっきから待て、とかいや、とか多いよ私。
しっかしそれにしたって、差し出されたその手があまりに自然すぎた。
そんなことをされるもんだから、私はこの人とどんな関係なんだろう、と再度首を傾げた。
しかしやっぱりさっぱりだ。
「何、アホ面してんだ。帰るぞ」
その表情が怖かったので、おそるおそる手を繋いだ。な、なんか生きてる心地がしない・・・!
その後私は相変わらず記憶がうやむやになっているということをその人に伝えずに自宅へ帰った。
なぜかって、まぁそれはその人の顔が怖いとか、何か言ったら睨まれそうだとか、そういうことじゃなくてー
・・・・まぁそう言ってしまえばそうなんだけど。というか聞きたいことはいっぱいあるのだけれど。
私の家の前までその人は律儀に送ってくれ、また明日な、と軽く行って去っていった。
多分肩にかけられたスポーツバックからして、なにかスポーツをやっているみたいだったけど・・・。
うーん。なんだろう、もやもやするばかりでちっとも思い出せやしない。
「誰だ・・・あの人。やたら目つき怖いけど・・・」